武士と忍者

 武士と忍者が戦ったらどちらが勝つか。武士は刀を振り回し、忍者はあらゆる道具を武器として使う。

 武士は刀の届く範囲では強いかもしれないが、忍者が遠間や背後から飛び道具で攻撃してきたら、普通の武士はやはり防げないのではないだろうか。

 宮本武蔵クラスの武士になると、相手が攻撃する気配を読んだり、気迫で相手の動きを封じたりすることもできるかもしれない。

 だが普通の、と言っても、例えば道場で三羽烏とか四天王とか呼ばれるくらいの達人であっても、練達の忍者の攻撃は防げないような気がする。

 こう考えてみると、武士の刀というものは、基本的には身を守るための道具であって、攻撃用としては尺が足りないのだ。

 時代劇のように、着物を着た相手をばっさばっさと切り倒すのも無理だろうし、甲冑を身につけた相手にいきなり日本刀で向かっていくようなことがあるはずもない。

 鎧を身につけた武士同士の集団戦で有効なのは、第一は火砲で、次は投石だろう。それから弓矢、騎馬による突撃、槍、最後に接近戦でどうしようもなくなって刀。刀はあるいは自刎用に使われることが多かったかもしれない。

 忍者の集団と武士の集団が戦場でぶつかったらどうなるか。これはもう一方的に忍者の集団が虐殺されそうな気がする。それ以前に、あっという間に戦場からいなくなるのが忍者らしいか。