それから東京ではこんな猫がいた。白っぽいグレー色の見事な毛並みをした大きなオス猫が、通勤で駅に向かう途中の塀の上に香箱座りに、見るからにずっしりと、毎朝のように居座っていた。 塀の幅が10センチくらいしかないものだから、巨大な腹の肉が両側には…
猫が人間の魂胆を読むというのは分かる。露骨に悪意を持っている場合は言うまでもなく、道端で出会った猫をつかまえてやろうとか、ちょっと毛皮にさわってやろうとか思って近づくと、たいていは逃げられる。 人なれして警戒心がゼロみたいな猫は別だが、だい…
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