繰り返す腰痛のパターン

 先週金曜日ごろから腰に異変を感じていたのだが、案の定、土曜日の昼間にぴきっときた。その音が、頭の中で響いたような気さえした。完全なぎっくり腰だ。何とか家にたどり着いて横になる。ぎっくり腰の癖は20代のころからだからこの症状には慣れている。

 最初は無理な武道のトレーニングが原因だった。若いとどうしても過剰にやりすぎる。腰に疲労の蓄積がたまって、些細なきっかけで症状が炸裂する。この症状が出ると、2~3日は布団に横になっておくしかない。

 若いころは腕力だけでもはい回り、つかまり立って、最低限の所要はしのげたが、五十代も半ばとなった今は腕力にばかり頼ってもいられなくなった。掛け布団を動かすのさえ腰に響く。

 そっと滑るように布団からはい出し、うつ伏せとなって足をゆっくりと縮め、上半身を起こし、物につかまりながらようやく立ち上がる。そして腰が妙に屈曲した姿勢のまま惨めな格好で移動するのだ。

 だいたい腰の異常を感じて2日目~4日目にかけてが痛みのピークで、そこを過ぎると嘘のように症状が和らいでくる。それでも通常の状態に戻るまで最低1週間はかかると見なければならない。

 外仕事の肉体労働をやっていて一番つらいと感じるのは、やはりこんな風にして体を壊した時である。今や体だけが資本。元気な時はそれが当たり前のように思っているが、体を壊すたびに紙一重の生活であることを思い知る。

 だからといって、サラリーマン時代の方がよかったと言えるのか。別にそんな後悔もないな。